融資が通らなかった事業計画書
典型パターン5選【JFC担当者の視点から】
公開日:2026年6月12日 / 起業の下書き編集部
日本政策金融公庫(JFC)の創業融資は、 無担保・無保証人でも申請できる起業家の強い味方です。 しかし審査が通らないケースも少なくありません。 否決の原因のほとんどは「事業そのものの問題」ではなく、「事業計画書の書き方の問題」にあります。この記事では、審査で引っかかりやすい典型パターンを5つ解説します。
1. JFCの審査担当者が最初に確認すること
JFCの審査担当者は、提出された書類に対して主に以下の3点を最初に確認します。
この人は返済できるか
売上計画・経費計画・返済額を見て「毎月の返済が事業から捻出できるか」を確認します。
この事業に経験・スキルがあるか
経営者略歴と事業内容の一致を確認します。経験のない業種・業態へのチャレンジはリスクが高いと判断されます。
自己資金の裏付けがあるか
総事業費に対して自己資金が何割あるかを確認します。自己資金ゼロ・貯蓄なしは最もリスクが高いシグナルです。
パターン1:売上計画の根拠がない
「月商100万円を目指します」という目標だけが書いてあり、「なぜ100万円か」の計算式がない計画書は審査で評価されません。
❌ 審査で引っかかる書き方
「開業後3ヶ月で黒字化し、半年後には月商100万円を達成します」
✅ 審査で評価される書き方
「客単価5,000円 × 1日20人 × 25日営業 = 月商250万円。開業3ヶ月は認知度不足として充足率40%(月商100万円)から計画する。1日20人の根拠:商圏人口○万人・競合○店・類似店の回転率を参考に算出。」
対策
「客単価 × 客数 × 営業日数」の計算式を必ず記載し、客数の根拠(商圏人口・競合状況・過去実績)を添える。
パターン2:自己資金が少なすぎる・説明がない
自己資金は「この事業に本気で取り組んでいる証拠」として審査で重視されます。一般的に総事業費の20〜30%以上が自己資金として用意されていることが望ましいとされています。
❌ 審査で引っかかる書き方
総事業費500万円のうち自己資金ゼロ(全額融資希望)で申請
✅ 審査で評価される書き方
総事業費500万円のうち自己資金150万円(30%)を用意。「○年間の給与から積み立て、通帳残高で確認可能」と記載。
対策
自己資金の出所(給与積み立て・退職金・家族からの贈与など)を明示する。贈与の場合は「贈与」と正直に書く。虚偽記載は厳禁。
パターン3:経営者の経験と事業が結びついていない
事務職として10年働いてきた人が「飲食店を開業したい」という申請は、未経験業種へのチャレンジとして高リスクと判断されます。経験がない場合は「なぜ経験がなくても成立するか」の補強が必要です。
❌ 審査で引っかかる書き方
経営者略歴:IT企業勤務10年(エンジニア) → 事業内容:ラーメン店開業(補強説明なし)
✅ 審査で評価される書き方
「IT企業勤務と並行して5年間、週末に飲食店でアルバイト・調理経験を積んだ。食品衛生責任者資格取得済み。知人飲食店オーナーのメンタリングを受け、開業準備中。」
対策
経験不足を隠さず「補強してきた経緯」を記載する。資格取得・アルバイト・セミナー受講でも実績として書ける。
パターン4:書式が指定様式と異なる
JFCには「創業計画書」という指定書式があります。この様式を使わず、自作のWordファイルや他の金融機関向け書類を持参すると「当行の書式でご記入ください」と再提出を求められます。面談の予約を一から取り直すことになります。
❌ 審査で引っかかる書き方
「弊社独自の事業計画書(A3・カラー印刷)」を持参
✅ 審査で評価される書き方
JFC公式サイトまたはAIツールで生成したJFC書式準拠のWordファイルを持参
対策
JFCの公式サイトから「創業計画書」様式をダウンロードするか、書式準拠のAIツールで生成する。
パターン5:リスクへの言及がゼロ
「競合より優れているため必ず成功します」「3ヶ月で黒字化できます」という楽観的な計画だけが書かれていると、審査担当者は「リスクを把握できていない」と判断します。リスクを正直に書き、対策を添えることが逆に信頼度を上げます。
❌ 審査で引っかかる書き方
「当事業は市場ニーズが高く、競合が少ないため必ず成功します。」
✅ 審査で評価される書き方
「想定リスク:開業後3ヶ月間の売上が計画の50%を下回る可能性がある。対策:生活費6ヶ月分を手元資金として確保済み。また、初月からSNS集客を開始し、3ヶ月以内に月200フォロワーを獲得する計画。」
対策
「想定されるリスク」と「その対策」をセットで記載する。リスクを書いても否決されるわけではない——むしろ現実的な計画として評価される。
5つのパターンを一気に回避する方法
5つのパターンに共通するのは「計画書の構成・書式・内容が審査担当者の期待値とずれている」ことです。 これを回避する最も効率的な方法が、JFC指定書式準拠の叩き台をAIで生成し、そこに自分の数字・経験・リスク対策を追記するアプローチです。
| パターン | AIで作成すると |
|---|---|
| 売上計画の根拠がない | 「客単価 × 客数 × 営業日数」の計算式テンプレが入る |
| 自己資金の説明がない | 資金調達欄に「自己資金・借入金・合計」のセクションが入る |
| 経験と事業が結びついていない | 経営者略歴欄に「業種経験年数・資格・前職の具体的業務」を記載する構成になる |
| 書式が違う | JFC指定書式(2025年版)準拠のWordファイルが出力される |
| リスクへの言及がない | 「想定リスクと対策」セクションが含まれる |
5つのパターンを回避した創業計画書を作る
日本政策金融公庫 指定様式(2025年版)準拠 / 登録不要・無料
Word形式ダウンロードは¥3,800
質問に答えた後、内容を確認してからWord形式でダウンロードできます
まとめ
- ✓JFC融資の否決は「事業の問題」より「計画書の書き方の問題」が多い
- ✓売上計画には「計算式 + 根拠」が必須——目標値だけでは審査に通らない
- ✓自己資金は総事業費の20〜30%以上が目安、出所も説明する
- ✓経験不足はバレる——正直に書いて補強策を添えるのが正解
- ✓JFC指定書式を使わないと「やり直し」になる——書式は必ず確認する
- ✓リスクを正直に書き、対策をセットで示す計画書は信頼度が上がる